ピーターラビットの生みの親「ミス・ポター」
青い上着を羽織った愛らしいうさぎ、ピーターラビット。100年前に絵本として登場し、世界中で1億部のベストセラーになった絵本の生みの親、ビアトリクス・ポター女史の生涯を感動的に描いた一代記だ。
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200708/gt2007081617.html
1902年、封建的なビクトリア朝の雰囲気が漂う英国。上流階級の女性が仕事を持つことなどありえなかった時代に生まれたポターの夢は、子供のころに湖水地方で遊んだ動物たちをモデルにした絵本を出版することだった。親の勧める縁談を断り、アーティストの道を志す彼女の元に、ついに出版を引き受ける編集者が現れ、絵本はベストセラーに。ポターはこの編集者と恋に落ち、生涯を誓い合うのだが…。
心から好きで夢中になれることを見つけ、それが世界の人々を幸せにできたら。現代女性にも通じる夢だ。
「ブリジット・ジョーンズの日記」のレニー・ゼルウィガーが、独立心旺盛で、喜怒哀楽に富むヒロイン・ポター役を熱演。仕事に恋にいちずな生き方が共感を得るし、実在のポターが愛し、遺産として国に残した湖水地方の美しい大自然が、見る人をやさしい気分にしてくれる。
ポターの絵本が大ヒットしたのは、産業革命の影響で便利になった半面、自然破壊が急速に進み、人々に、絵本の愛らしい動物を通じて美しい自然を守ろうとする心が働いたからだろう。時代を先取りしたポターの才能も喝采(かっさい)ものだ。
(石山真一郎)
【一口メモ】
共演は彼女の初恋の編集者ノーマンに「スターウォーズ」3部作のユアン・マクレガー、親友となる彼の姉ミリーに「奇跡の海」のエミリー・ワトソン。監督は「ベイブ」のクリス・ヌーナン。舞台となる英国の湖水地方は、ピーターラビットの故郷として、今も世界中の観光客が集まる人気スポットになっている。