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ピーターラビットの謎 ―子ウサギはキリスト?―

世界的に有名ないたずら子ウサギの冒険は、キリストの受難劇をなぞらえている、という謎解き。

 ピーターたち4きょうだいは森へくろいちごを摘みにでかける。このblackberryはトゲの生えた木になる実なので、彼らは「イバラの冠」(荊冠)を作りに出かけたのである。ニンジンを齧る姿が有名な場面に登場するコマドリは、別名「胸赤鳥」で、キリスト受難を見守る鳥である。危うくマグレガーさんにつかまりそうになり、命からがら逃げ出す際に、ピーターは青いジャケットを脱ぎ捨てる(「聖衣剥奪」)。そのはらいせに、マグレガーさんはピーターの青い服と靴を案山子にひっかける。この絵は確かに「キリスト磔刑図」のパロディだろう。そしてほら穴で寝込むピーターを心配そうに見つめる3匹の妹ウサギは、埋葬されたキリストの復活を目撃する「証人の女弟子」なのだという。

 有名な絵本に隠された寓意を、宗教画・図像学の専門家が豊富なキリスト教絵画やその象徴の方法などから語る解説は説得力充分。宗教や西洋美術に「暗い」日本の読者には新鮮な驚きが得られる。

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