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ピーターラビットの謎 from英国本」あれこれ- 美術・工芸・映画

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ピーターラビットの謎」
益田朋幸 著(東京書籍)¥1,600
 ピーターラビットのファンなら,この本を本屋で見つければ一度は手にとってみるに違いない。でも,表紙のピーターラビットの絵の下には,キリストとその弟子達の「最後の晩餐」の絵が…。それに本のタイトルにある「謎」とは何なのか?よく見ると,タイトルの下に小さい字で「キリスト教図像学への招待」というサブタイトルが書いてある。いったいこの本はどういう本なのだろう。結論を先に言ってしまうと(著者も結論を先に述べている),驚くかな,ピーターラビット物語の背後には,キリストが無実の罪で捕らわれ,十字架上で刑死するというキリストの「受難物語」が隠されているというのだ。ひとことでいえば,著者のやっていることは,キリスト教図像学の知識(たとえば宗教画に描かれた「物」が何の象徴であるかといったこと)を駆使したピーターラビット物語の精緻な解析である。その結果,「ピーターラビット=キリスト」という意外な結論が理路整然と導かれてしまう。謎解きを論理的にしていく本であるが,決して堅苦しい本ではない。東京書籍の本らしく,ピーターラビット物語や宗教名画を含めて図版はすべてカラーで,装丁も洒落ている。一つだけ疑問がある。本国英国で,この著者と同じく「ピーターラビット=キリスト」に気づいた人はこれまでいなかったのであろうか?

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